……ぽんっ!
『サーヴァント道場』
「さーて、ここが迷えるマスター殿に助言を授けるランサー道場だ。
とは言っても、ここは道場じゃなくて、町はずれの洋館だけどな――
道場主はこの俺本家ランサーこと、クーフーリンだ。どれ、挨拶しろや我が助手」
「……オッス、ランサー師匠。助手は本家アヴェンジャーの、アンリマユのオレだ」
「……なんだ、いつにもまして顔色悪いな。気分悪いのか?」
「顔色は元からこうだからほっとけ。こういう馴れ馴れしいノリは気がのらないんだよ」
「ふむ……しかしアヴェンジャーのお前がこうして出てるってことは
今回の聖杯の中身は、お前じゃないってことになるな」
「別のが入ってるみたいだけどな。まぁこのシナリオはタイトルが表すように、ジェダイのセイバーが軸になった話だから
今回のアヴェンジャーは、触れられても名前ぐらいらしい。本編で言えば『stay
night』ルートだからな」
「そうか。まぁあんまり楽屋裏で話に触れても興ざめだから
手っ取り早くバゼットの死因分析と行こうぜ」
「……なんでそんなノリ気なんだよ」
「本家サーヴァントで一番乗りってのがまず悪くないな。やっぱり槍と言やあ一番だろう。
おまけにここには、釣り狂いの赤いバカも金ぴかバカも、おまけに麻婆バカもいないしな。いやあ、悪くない悪くない」
「自分の場所って言いたいのか……まぁサクサク分析に入るってのは反対しないさ」
「よしよし、それでこそボウズだ。黒くても基本は素直でいい感じだぞ。金のボウズよりずーっと素直だ。
まぁそれで本題の死因分析だが……これは、はっちゃけすぎってヤツか」
「そうだろうな。結界もなしに重機関銃を四挺も同時にバリバリやって、果ては小型ロケット。
後から固有結界が発動したけど、それも敵を探してる深夜の徘徊蟲老人からすれば
察知するに十分すぎるほどの魔力だった、ってとこだったんだろうな、きっと。
人避けってのも、集まってきてるのをばらかして証拠隠滅。
改めて人避けの結界――というより境界、かな――を広めに張ったんだろう。
そうやって待ち伏せして、固有結界が消えたと同時に、残ってる関係者を全員殺して漁夫の利……
その中にお目当てのイリヤがいたから、それだけ残して始末させたってとこか」
「ふーむ。なかなかシビアだねぇ」
「選択肢次第じゃ死ぬってのが、このスレの楽しみのうちの一つだろうしな。
むしろ、このシナリオで予定されてるラスボスまで含めて、間違いなく最強のサーヴァントの宝具発動を倒したワケだから
そういう意味では大健闘だったんだろうけどな……ま、死んだらどれも一緒だ。今回は『繰り返しはない』だしな」
「そうそう、やっぱりこう……本家の俺らみたいなきちっとしたサーヴァントじゃねぇと、聖杯戦争は勝ち抜けないってことかね」
「……気づいてると思うけど、死んだマスターにゆかりのサーヴァントが道場を開くみたいだな」
「だな。まぁないことを祈るが、黒くない方のボウズが死ぬと、セイバーが本家の道場を開くし
間桐のとこのボウズが死ねば、蟲蔵でアサシンとライダーの道場が開かれるわけだ」
「イリヤの方は……」
「あぁ、一応考えてたみたいだけどなぁ……
メイドのお二人さんはサーヴァントじゃないし『■■■■■■■――――ッッッ!!』
だけじゃ解説にならなくってな。道場は豪華なトコがあったみたいだけどよ……まぁこんなとこだろ」
「そうか。じゃあそろそろシメよう」
「んだよ、素っ気無えなぁ。気楽で居心地悪くねえのに。
あぁ、次からは別視点に戻る前にすこしインタールードがはさまれるから
それを選択してくれ。悪いな」
「――――これから先も『Fate/star light』を楽しんでくれ。じゃあ」
「……勝手にシメやがった。やっぱり色が変わると可愛げが無くなるもんかねぇ……じゃーまたな」
……がらがらがらがらっ ぽんっ
【Interlude】『light saber -red-T』